猫への愛情

「うちの猫さまは今日も全力で私をしつける」

朝、起きた瞬間から、うちの猫・ミルクは“猫さまモード”全開。
私の顔を肉球でポスッと叩き、「ほら起きなさいよ、人間」と言わんばかりに見下ろしてくる。
仕方なく起きると、今度はご飯皿の前で「まだ?」というジト目攻撃。
あぁ、この子は前世で女王だったに違いない。

ご飯を出すと、ミルクは満足げに尻尾を立てて食べ始める。その後ろ姿を見ていると、不思議と胸があったかくなる。
「こんな小さな生き物の役に立ってるんだな…」って。

夜、ミルクは私の膝にそっと乗ってきて、喉をゴロゴロ。まるで「一日よく頑張ったね」って褒めてくれているみたい。

で、幸せ気分で寝落ちしかけた瞬間……。
急にミルクが立ち上がり、鋭い目で私の顔を覗き込み、ひとこと言いたげな表情で——
「そろそろオヤツの時間だけど?」
……あぁ、猫さまのしつけは今日も休みなし。

「消えた靴下と犯ニャンの意外な愛情表現」

 洗濯物をたたもうとすると、また片方だけ靴下がない。
うちでは“靴下妖精事件”と呼んでいるのだけど、実は妖精ではなく、犯ニャンは分かっている。

そう、我が家の三毛猫・ココちゃん。

ココはなぜか私の靴下だけをくわえて持ち去り、家のどこかに隠してしまう。
必死で探すと、毛布の下とか、キャットタワーの穴とか、まるで宝探しゲームだ。

最初は「なんなの、これ!?」とイライラしていたけど、ある日、偶然見つけた隠し場所に胸がぎゅっとした。

そこには、私の靴下がふわふわベッドみたいに敷き詰められ、ココがその上でまん丸になって寝ていたのだ。
私の匂いに包まれて、安心して眠っている。
「あぁ、この子は寂しくて、私の匂いを集めてたんだ…」
そう思ったら、怒りなんて吹き飛んで、むしろ愛しさ爆発。

 ただ翌朝、出勤しようとしたら……
“靴下、両方なかった。”
ココちゃん、愛情は嬉しいけど、私、会社に行けないよ。 

「初めての猫用誕生日ケーキと大惨事の夜」

 うちの黒猫ナナの誕生日に、私は張り切って猫用ケーキを手作りした。
鶏むね肉をほぐして、猫用チーズを乗せて、ハート型に整えて……。
自分でも惚れ惚れする出来栄え!
「ナナ、愛情の結晶だよ~」とドヤ顔で差し出すと、ナナはじーっと見つめてきた。 

そして、王者のようにゆっくり近づき……
ペロリとひと舐め。
次の瞬間、ナナの目がカッと見開き、突然ものすごい勢いで食べ始めた。
“そんなに気に入ってくれたの!?”と胸が温かくなる。 

ところが、嬉しさのあまり私が近づきすぎたのか、ナナはケーキを守ろうとして
フッッ!!
猫パンチ炸裂。
…いや、私が横取りすると思ったの?

 頬を押さえながらふと見ると、ケーキの周りで尻尾をピンと立てて誇らしげなナナ。
その姿に私も苦笑い。
「まぁ…これだけ喜んでくれるなら、猫パンチの一つや二つ…ね?」

 ただし翌日、病院で先生に言われた。
「これ、猫パンチの跡ですね?」
……誕生日の説明が、なかなかしても信じてもらえなかった。

2025.11.19  弁護士 川原俊明

愛猫ナナの写真を添えて🐈‍⬛