法は、誰のもの?

弁護士 川原俊明   「法律は、正しい者の味方ではなかったのですか」 かつて、高齢の依頼者から投げかけられた言葉です。 本人の意思によらない契約書を作られ、土地をだまし取られた事件でした。 依頼者を守りきれなかった苦い思いとともに、その問いは、今も私の心に残っています。 法律の仕組みを説明することはできても、それだけでは、その方の無念に応えられません。 生涯をか...

「登記できない」とされた自筆証書遺言から、相続登記を実現!

弁護士 川原俊明 「遺言書があるのに、登記できない」 自筆証書遺言は、遺言者が自ら作成することのできる、比較的利用しやすい遺言方式です。 しかし、その手軽さの裏側には、思わぬ落とし穴があります。 その一つが、「遺言書に書かれた財産を、本当に特定できるのか」という問題です。 今回、当事務所が取り扱った相続案件でも、まさにこの問題が発生しました。 遺言者は、自ら所有する土地...

「担保」の常識が変わる——企業そのものの価値が未来を創る時代へ

弁護士法人川原総合法律事務所 弁護士川原俊明   「担保」と聞くと、多くの方は土地や建物、預金といった目に見える財産を思い浮かべるでしょう。   実際、日本の金融は長年、「土地があるか」「建物があるか」「経営者が個人保証をするか」という考え方を中心に発展してきました。  そのため、優れた技術や高い成長性を持ちながら、不動産を十分に保有していない中小企業やスタートアップ企業は、資金調...

後見人制度がなくなる? ~「補助制度」への一本化で何が変わるのか~

弁護士法人 川原総合法律事務所
     弁護士 川原俊明 成年後見制度は、高齢化社会の進展に伴い、認知症や知的障害、精神障害などにより判断能力が低下した方の財産や生活を守るため、2000年に導入されました。 現在は、「後見」「保佐」「補助」の3つの類型があります。しかし、この制度は約25年間運用される中で、「一度利用すると亡くなるまで終われない」「本人の意思が十分尊重されない」「必要...

相続放棄は取り消せるのか? ~「やっぱり相続したい」は認められる? 救済の可能性を解説します~

弁護士 川原俊明 「亡くなった父には借金があると聞いていたので相続放棄をした。」 ところが、その後になって、 ・多額の預貯金が見つかった ・売却価値の高い不動産があった ・借金はほとんどなかった ・他の相続人から事実と異なる説明を受けていた という事情が判明し、  「放棄しなければよかった」  と後悔される方がおられます。  では、一度家庭裁判所で受...