所有者不明土地の取得に成功!― 工場の未来を左右する「入口の一角」を守り抜いた法的解決 ―
不動産「この土地さえ取得できれば、事業は次のステージに進めるのに―」
企業経営において、土地の問題はしばしば事業の成長そのものを左右する重大な経営課題となります。
とりわけ近年、全国で急増しているのが、“所有者が分からない土地(所有者不明土地)”の問題です。
今回、当事務所は、
工場拡張計画の要となる「隣接地の一角」について、所有者不明土地制度を活用し、取得に成功しました。
しかもその土地は、単なる空き地ではありません。
工場への出入りが最も激しい、いわば“企業の動脈”とも言える入口部分でした。
本コラムでは、
・所有者不明土地とは何か
・どのような制度が、いつ、どんな目的で作られたのか
・なぜ取得が可能になったのか
・そして、なぜ専門家に依頼する必要があるのか
を、できる限り分かりやすくお伝えします。
所有者不明土地とは何か
「登記を見ても、所有者が分からない」
「相続が繰り返され、誰が権利者なのか不明」
「住所が古く、連絡が取れない」
このような土地は、日本全国で急増しています。
国土交通省の推計では、所有者不明土地は九州の面積を上回る規模に達する可能性があるとも言われています。
企業活動においては、
・工場や倉庫の拡張ができない
・駐車場や搬入口が確保できない
・再開発が止まる
といった深刻な支障をもたらします。
本制度は、令和5年(2023年)に施行された制度です。
この問題に対処するため、国は法制度を抜本的に見直しました。
制度の名称
所有者不明土地管理制度
制度の成立・施行
・民法等改正:令和3年(2021年)成立
・施行:令和5年4月1日
制度の目的
一言でいえば、
「所有者が分からないことを理由に、土地が放置され、社会や経済の発展が妨げられる事態を防ぐこと」です。
これまでの日本の法律は、「所有者の権利保護」を重視するあまり、
“所有者が不明な場合、事実上、土地は「誰も触れない存在」”になっていました。
新制度は、その発想を大きく転換し、
・社会的に必要な利用
・企業活動・地域経済への影響
を考慮し、裁判所の関与のもとで、土地を“動かす”ことを可能にしたのです。
当事務所が手がけたのは「工場の入口そのもの」
今回ご依頼いただいたのは、
工場の拡張に伴い、隣接地の一部を取得したいという企業様でした。
問題となった土地は、
・面積は決して広くない
・しかし、工場の正面入口に位置する
・トラックや人の出入りが最も集中する場所
つまり、
「ここが使えなければ、拡張しても意味がない」
という、極めて重要な土地でした。
ところが、調査を進めると、
・登記名義人は既に死亡
・相続登記は未了
・相続人が多数、かつ所在不明
典型的な所有者不明土地であることが判明しました。
「取得できるかどうか」で、企業の将来が変わる
もしこの土地が取得できなければ、
・工場の動線は不完全なまま
・物流効率は上がらない
・将来的な設備投資にも制約が生じる
つまり、今回の土地取得は、単なる不動産取引ではなく、企業の将来戦略そのものだったのです。
法律は「使いこなしてこそ」意味がある
所有者不明土地管理制度は、「制度がある=簡単に使える」わけではありません。
実務では、
・所有者探索の尽くし方
・裁判所への申立ての構成
・企業側の必要性・緊急性の立証
・代替手段がないことの説明
など、高度な法的整理と戦略的な主張が不可欠です。
当事務所では、
・登記・戸籍・除票等の徹底調査
・企業活動への影響を具体的に可視化
・裁判所が納得する論理構成
を丁寧に積み上げ、管理命令を経て、最終的に取得を実現しました。
所有者不明「建物」の解体依頼も増えています
なお、近年は土地だけでなく、
・所有者不明建物
・空き家化した工場・倉庫
についての解体・整理のご相談も増えています。
建物は、放置されれば、
・倒壊リスク
・近隣トラブル
・企業イメージの低下
といった新たな問題を生みます。
これらについても、管理制度・解体手続を含めた総合的な法的対応が可能です。
「動かない土地」を「使える土地」に変える
所有者不明土地は、
「どうにもならない問題」ではありません。
しかし同時に、「誰に相談しても同じ結果になる問題」でもありません。
法律は、知っている人・使いこなせる人の手に渡って、初めて力を持ちます。
当事務所は、
・企業活動を止めない
・将来を見据えた土地戦略を支える
・法律を“現場で使える武器”に変える
ことを使命としています。
お困りの際は、ぜひ一度ご相談ください
・隣の土地が使えない
・拡張計画が止まっている
・所有者が分からず、交渉できない
その問題、解決できる可能性があります。
「無理だろう」と諦める前に、ぜひ一度、当事務所にご相談ください。
企業の未来を切り拓くための法的解決を、私たちは本気で考えます。
2026.1.30 弁護士 川原俊明
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