七夕の不思議な出会い🌠
銀河鉄道と切符売り 七夕の夜、終電を逃した私は、ひとけのない駅でぼんやりしていた。 「終電は終わりましたよ」――声の主は、駅の片隅に立つ、年季の入った切符売りだった。 「ここから、銀河鉄道に乗れますよ」 冗談かと思ったが、男の目は本気だ。ふと手渡された切符には、「天の川・片道」とある。 「乗れば、願いが一つ叶います」 半信半疑で改札を抜けると、ホームには、青白く光る汽車。乗り込...
今日は、父の日! ・・・愛の物語❤️❤️❤️
パパのひげは魔法のしるし 「パパのひげって、なんでチクチクするの?」と聞いたある朝。 「それはね、パパが家族を守るためのヒーローだからさ!」と、ちょっと照れながら言ったら、5歳の娘が目をきらきらさせて、こう返してきた。 「じゃあ、パパは“ひげレンジャー”なんだね!」と。 その日から我が家では、私が朝ひげを剃ると「ひげレンジャー、変身ちゅう~!」と掛け声が飛ぶように。 お風呂上がりには「今...
ショウブを見て考えたこと 城北菖蒲園を巡るハイキングで。
令和7年6月7日(土曜日)、私たち14名の仲間たちは、大阪城公園から城北菖蒲園を中心としたハイキングに出かけました。 この日は、晴天にも恵まれ、初夏の陽気が心地よく感じられる絶好のハイキング日和でした。 集合場所は、JR大阪城公園駅。大阪城のすぐそばに位置するこの駅は、都会の喧騒の中にあって、緑と歴史に囲まれた特別な空間への入り口です。 駅に到着した私たちは、軽く準備運動を済ませ、大阪城...
梅雨とともに降ってきたら幸せ!
天からの臨時ボーナス 梅雨の朝。傘を差して出勤していた田中さんの頭にポトリと落ちたのは、なんと「寸志封筒」。 中には「社長より、いつもありがとう」のメモとクオカード。 「これこそ、天からの恵みや!」と叫ぶ田中さん。 次の日、同僚たちがみんな空を見上げながら歩いていた。 雨に混じるおせっかい ザーザー降りの中、傘を持たずに歩く青年に、雨粒の中から聞こえる声。 「あんた風邪ひくで!」「カ...
スズランの咲く場所で
作 はるの さくら 初夏のやわらかな風が、事務所の小窓から流れ込んでいた。 机の上に、白く可憐なスズランの花が小さな一輪挿しに揺れている。 その日、弁護士・神谷遥(かみや はるか)のもとを訪れたのは、 清楚なワンピースを身にまとった女性だった。 年齢は三十代半ば。だが、どこか疲れたような目をしている。 「初めまして。田嶋千尋(たじま ちひろ)...