「夢があるから、強くなれる。」―― 永島昭浩さんの講演から学んだこと

先日、ホテルモントレ大阪で開催された追手門学院大学創立60周年記念・2026年度校友大会に出席し、元サッカー日本代表・永島昭浩さんの講演「夢があるから、強くなれる」を拝聴しました。

私は弁護士という仕事柄、多くの経営者や依頼者の人生の節目に立ち会いますが、この講演はスポーツの話にとどまらず、「人生そのもの」を考えさせられる大変示唆に富んだ内容でした。

永島さんは、華やかな日本代表時代だけではなく、その裏側にあった数え切れない苦労や挫折、そして何度も訪れた人生の分岐点について率直に語られました。

印象に残ったのは、「夢は待っていても叶わない。自ら決断し、行動した人だけが夢に近づく」という姿勢です。

1983年に松下電器産業(現・ガンバ大阪)へ入団し、Jリーグ開幕とともに日本を代表するストライカーとして活躍。日本人初のJリーグ・ハットトリック、オールスターMVPなど数々の栄光を手にしました。

しかし、その道のりは決して順風満帆ではありませんでした。

1995年、阪神・淡路大震災で実家が全壊した際、「神戸の人々を勇気づけたい」との強い思いから、シーズン途中でヴィッセル神戸へ移籍するという大きな決断をされました。

普通なら安定した環境を選ぶところでしょう。
しかし、自分の夢だけではなく、「人のために何ができるか」を考えた決断だったからこそ、多くの人の心を動かしたのだと思います。

夢を実現するためには、才能だけでは足りません。

そこには、人との出会いがあり、人脈があり、そして誰にも負けない努力があります。

永島さんは、現役時代に誰よりも練習を重ね、地道な積み重ねを続けてきたことを、ユーモアを交えながら語られました。

「努力は裏切らない」という言葉はよく耳にしますが、その努力も「夢」という目標があるからこそ続けられるのだということを改めて感じました。

今回の講演に関連して、ガンバ大阪の伊藤執行役員からも、追手門学院とガンバ大阪とのつながりや、追手門学院高校出身で世界を舞台に活躍する堂安律選手の話題にも触れられました。

夢を持った若者が世界へ羽ばたいていく姿は、多くの卒業生に勇気を与えてくれます。

一人の夢は、やがて周囲の人々に希望を与え、地域を元気にし、日本全体を明るくしていく。
そんな力をスポーツは持っているのだと感じました。

私は弁護士として、多くの困難を抱えた方々の相談を受けています。
離婚問題、相続、不動産、企業経営、労働問題……。

相談に来られた時には、「もう無理だ」「どうしたらいいかわからない」とおっしゃる方も少なくありません。

しかし、問題が解決した後、多くの依頼者が口をそろえて言われる言葉があります。

「もう一度頑張ってみようと思います。」

法律問題を解決することはゴールではありません。
新しい人生へのスタートラインに立つことです。

夢や希望を取り戻すことこそ、本当の解決なのかもしれません。

永島さんの講演を聞きながら、「夢があるから、人は前を向ける」「夢があるから、困難にも立ち向かえる」ということを強く実感しました。

そして、その夢を現実に変えるためには、「決断する勇気」「努力を継続する力」「人とのご縁」を大切にすることが欠かせないことも改めて教えていただきました。

私自身も、弁護士として依頼者の法的問題を解決するだけでなく、その先にある「夢」や「希望」を実現するお手伝いができる存在でありたいと思います。

永島昭浩さんの言葉は、スポーツ選手だけではなく、経営者にも、学生にも、そして人生の転機に立つすべての人に向けられた応援メッセージでした。

夢があるから、人は強くなれる。

その言葉を胸に、私もまた、一歩一歩前へ進んでいきたいと思います。

 

弁護士法人川原総合法律事務所  弁護士 川原俊明