AIと弁護士について
弁護士法人 川原総合法律事務所
川原総合法律事務所の方針
――AI時代を超えて、人の心に寄り添う法律事務所へ――
私たち弁護士法人川原総合法律事務所は、創立以来四十年以上にわたり、多くの依頼者の皆さまに支えられて歩んでまいりました。
時代は移り変わり、社会は高度に情報化し、いま私たちはAI(人工知能)の時代を迎えています。
AIは膨大な情報を瞬時に処理し、知識を整理し、答えを導き出す力を持っています。
確かに、その力は目を見張るものであり、法律分野においても大きな役割を果たすようになっています。
しかし、私たちの取り扱う法律問題の本質は「人と人との紛争」です。
離婚、相続、交通事故、企業間トラブル――どれも人の思いや感情、信頼や不信、そして未来への不安が交錯しています。
そこには数字や条文だけでは測りきれない「心の痛み」や「人間関係の機微」が存在します。
AIは情報を提示することはできますが、依頼者の胸の内に寄り添い、その不安を和らげ、相手方との間に新しい信頼を築き直すことまではできません。
私たちは、このAI時代においてこそ、弁護士ならではの使命と価値を一層強く発揮していく必要があると考えています。
1.AIの強みと限界を見据える
AIの強みは、第一に「知識の網羅性と迅速さ」です。法律や判例、各種のデータを整理し、方向性を提示する力は確かに有効です。私たちもAIを積極的に活用し、調査の効率化や業務のスピードアップに役立てています。依頼者により早く、より正確な情報をお届けすることは、AI時代における法律事務所の必須条件といえるでしょう。
しかし一方で、AIには決定的な限界があります。それは「人の心に寄り添うことができない」という点です。法律紛争の現場では、条文や判例の解釈を超えて、依頼者の人生、家族、会社、そして人間関係に深くかかわる問題が日々持ち込まれます。その中で必要なのは「冷たい答え」ではなく「温かい共感」です。依頼者の言葉にならない思いをくみ取り、涙を流し、時には怒りや悔しさをともに分かち合う――そうした人間的な営みは、AIには決してできません。
2.私たちの使命は「信頼の橋をかけること」
法律紛争を解決するためには、依頼者との信頼関係が出発点となります。依頼者が「この弁護士に任せれば大丈夫だ」と思えるかどうかで、心の支えは大きく変わります。そして相手方との関係においても、感情の対立をただ強めるのではなく、真の解決へ向けて「歩み寄りの道」を探ることが欠かせません。
私たちの役割は、まさにその信頼の橋をかけることにあります。AIがデータを示すことはできても、人と人との関係を修復し、和解や前向きな未来へと導くことはできません。それは、弁護士という「人」が担うべき使命であり、そこに私たちの存在価値があります。
3.「AIを超える事務所」であるために
私たちは、AIを単に「競争相手」とみなすのではなく、「共に活かすべき道具」として受け止めています。AIの力を最大限に活かしながらも、最終的に依頼者の人生に寄り添い、心の平穏と未来の希望を築き上げるのは、あくまでも「人」である弁護士の役割です。
そのために、当事務所は以下の方針を掲げます。
1.AIを徹底的に活用する法律事務所
調査・文書作成・情報整理においてAIを活かし、依頼者にスピーディーで的確なリーガルサービスを提供します。
2.人間力を磨き続ける法律事務所
依頼者の声に耳を傾け、心に寄り添い、信頼関係を築くことを第一にします。AIにはできない「人間的共感力」を磨き続けます。
3.未来志向の法律事務所
依頼者一人ひとりのトラブル解決にとどまらず、その先の人生や事業が前向きに進めるよう、未来を見据えた解決策を提案します。
4.すべての人に開かれた事務所へ
私たちは、法律事務所は「特別な人だけが訪れる場所」ではなく、誰にでも開かれた安心の拠点であるべきだと考えています。女性や若者、高齢者、企業人、地域の皆さま――すべての人が安心して相談できる「敷居の低い事務所」を目指します。AIが発展しても、人と人との「顔の見える信頼」が失われてはいけません。
5.AI時代を超えて
AI時代だからこそ、私たちは人の心を重視します。AIがどれほど進化しても、人の涙をぬぐい、人の心に灯をともすことはできません。法律は人のためにあり、弁護士の使命は人を支えることにあります。
私たち弁護士法人川原総合法律事務所は、これからもAIの力を取り込みながらも、決してAIに負けない「人間らしい温もり」をもって、依頼者の皆さまと共に歩んでまいります。
AIを超える法律事務所として、これからの時代の先端を築き、皆さまに安心と希望をお届けすることをお約束いたします。
2025年8月30日 弁護士 川原俊明