選択的夫婦別姓制度の実現を通じて、女性の自由と尊厳を取り戻す
「名前を選ぶ自由が、人生を選ぶ自由になる」 ― 選択的夫婦別姓の実現が、女性の未来をひらく ― はじめに ― なぜ「姓」が問われるのか 日本では、結婚する際に夫婦が「同じ姓を名乗らなければならない」という民法上の規定(民法750条)が存在しています。 世界に目を向ければ、これは極めて異例な制度です。 国連加盟国190以上のうち、日本だけが「法律上、夫婦同姓のみを認める国」となっており...
「ジェンダー後進国」日本への警鐘 ―法と教育で未来を変えるために―
今、私たちが立っているこの国、日本。 世界の先進国を自認し、経済力や技術力では高い評価を受ける一方で、国際社会から「ジェンダー後進国」として冷ややかな視線を浴びています。 2024年の世界経済フォーラム(WEF)の「ジェンダーギャップ指数」において、日本はなんと146か国中118位という低迷した順位に甘んじています。 これは、アイスランド、フィンランド、ノルウェーなどの北欧諸国が常にトッ...
弁護士法人の“夜の万博”訪問記
―― 心と心をつなぐ、初夏のひととき ―― 2025年5月22日、木曜日。 夕方の風が心地よく頬を撫でるころ、私たち法律事務所のメンバーは、それぞれの業務を少し早めに切り上げて、大阪・夢洲で開催中の「2025年日本国際博覧会」、通称「大阪・関西万博」へと足を運びました。 ふだんは机に向かい、法律と向き合い、依頼者の人生の節目や課題に寄り添ってきた私たちですが、この日は少し趣向を変えて...
夫婦別姓問題を考える——男女平等社会への道筋として
はじめに 現在の日本において、夫婦同姓は民法第750条によって法的に定められている。 つまり、結婚した際には、いずれかの姓に統一しなければならず、その結果、約96%のケースで女性が改姓している(法務省統計、2022年)。 この現実は、戦後80年近く経った現在においても、女性が「男性に従属する」構造が依然として社会制度に根強く残っていることを示している。 夫婦別姓は単なる“名前”の問...
みどりの哲学
みどりに託す、安心と再生の力 人の心には色がある。 怒りに染まれば赤く、沈黙すれば青く、そして、希望を抱けば、どこかにみどりが芽吹く。 色は、単なる視覚の情報ではない。人の感情や、記憶、そして未来へのまなざしを映し出す鏡でもある。 中でも「みどり」は、不思議な色だと思う。 赤や青がはっきりとした印象を残すのに比べて、みどりはどこか穏やかで、控えめで、しかし確かな存在感をもって...